くまの歯科 | 春日井市の歯科

くまの歯科電話番号:0568-52-0418

診療内容MEDICAL

歯周病治療

歯周病は、歯を支えている顎の骨が溶けてしまい、歯がぐらぐらと動揺するようになる病気です。
気づかないうちに進行することが多く、初期段階では痛みや大きな症状が見られないため、放置されがちです。
しかし、症状が進んで骨が大きく失われてしまうと、歯を支えられなくなり最終的には歯が抜け落ちるリスクが高まります。
そのような状態を防ぐためには、歯周病の正しい知識を持ち、早めに治療を受けることが大切だと考えています。

歯周病の原因とそのメカニズム

歯周病の原因とそのメカニズム
細菌による感染とプラークの影響

歯周病の主な原因の約70パーセントは、細菌の塊(プラーク)だといわれています。
お口の中には多種多様な菌が存在していますが、歯磨き不足や食べかすの残留などで、歯に粘着するように蓄積されると問題を起こしやすくなります。
プラークは粘り気のある膜状の物質であり、ブラッシングが不十分だと、たちまち硬化して歯石へと変化し、歯肉との境目にこびりついてしまいます。

噛み合わせの力も大きな要因

歯周病の進行には、噛み合わせ(咬合)による力の偏りも深く関わります。
一本の歯や特定の部分に過度な力がかかると、その周りの歯肉や骨に負担が集中し、炎症が悪化しやすくなります。
日常の何気ない食事でも、咬合がずれていると歯周組織への負担が大きくなり、歯周病が進行するリスクが高まります。

当院での歯周病治療のステップ

歯周病が必要な方から治療を開始

当院では、むし歯や他の治療が必要な場合でも、まず歯周病がある患者様には、歯肉や歯を支える骨の状態を最優先で整えることを心がけています。
歯周病が進行したままむし歯治療などを行っても、基盤が不安定なため長期的な安定が望みにくいからです。
そのため、歯周治療の必要性を感じたら、まずそこから取り組み、次の治療へ移行する順番を大切にしています。

検査とブラッシング指導

歯周ポケットの深さや歯肉の腫れ具合、出血の有無などを検査し、歯周病の進行度を把握します。
そのうえで、患者様一人ひとりの生活習慣をうかがい、原因を特定します。
この時点で欠かせないのが、ブラッシング(ハミガキ)指導です。
お口の環境を改善するためには、毎日のケアを正しく行うことが不可欠です。
正しく磨けないまま歯石を取っても、再びプラークがたまり、歯石がついてしまう可能性が高まります。

スケーリングやルートプレーニング

歯肉の上に付着した歯石(歯肉縁上歯石)は、スケーラーという器具を使って除去します。
さらに、歯肉の下深くにこびりついた歯石(歯肉縁下歯石)や、歯根表面に生じた汚れを除去するのがルートプレーニングです。
当院ではエアスケーラーを用いて効率的に歯石を取るほか、エルビウムヤグレーザーを活用しながら、歯肉内部の炎症組織を除去しやすくしています。
レーザーを併用することで、除去しにくい細菌を殺菌し、治癒を早める効果を狙っています。

効果が乏しい場合の外科的アプローチ

スケーリングやルートプレーニングを行っても改善が見られないケースや、歯周ポケットがあまりにも深いケースでは、歯周外科手術に進みます。
歯肉を一部切開して歯根を直接見える状態にし、汚れや炎症組織を徹底的に除去する方法です。
必要に応じて再生療法を行い、失われた骨や歯肉の形態を回復させることも検討します。

再生療法への取り組み

再生療法への取り組み
骨や歯肉の再建を目指す治療

重度の歯周病によって、顎の骨が大きく溶けてしまった場合には、再生療法を行うことで、失われた組織を再び取り戻す可能性を探ります。
当院では、症例に応じてエルビウムヤグレーザーや特殊な薬剤を使用し、骨の再生を促します。
再生療法はすべての患者様に適用できるわけではありませんが、適応となるケースには有効な結果を得られる場合があります。

綿密な検査と準備

再生療法は、成功させるために事前の検査が欠かせません。
3DCT(シロナ)を用いて骨の状態を立体的に把握し、回復が期待できる領域を見極めます。
また、歯周病菌をしっかり除去したうえで施術しないと、結果が安定しない可能性があるため、事前の管理を十分に行います。

セルフケアこそが歯周病対策の要

セルフケアこそが歯周病対策の要
日々のブラッシングと生活習慣の見直し

プロフェッショナルケアで歯石やプラークを取り除いても、そこから先のケアを怠ると、再び歯周病が進行しやすくなります。
当院では、患者様が毎日のブラッシングを正しく続けられるように丁寧にお伝えし、ライフスタイルに合わせたケア法を提案しています。
例えば、食後すぐの歯磨き習慣や、デンタルフロス・歯間ブラシの活用など、どれも継続して行うことが肝心です。

衛生士担当制のメリット

当院は衛生士担当制を採用しています。
同じ衛生士が継続的に患者様のお口を確認することで、わずかな変化にも気づきやすく、必要に応じたケアのアドバイスが可能です。
月1度は外部衛生士の講師を招き、衛生士自身も研鑽を積んでいるため、常に向上心を持って対応しています。

噛み合わせを整える

噛み合わせを整える
咬合異常による歯周組織への負担

歯が抜けたり歯並びが乱れたりしていると、一部分の歯に噛む力が集中してしまい、歯周病が進行しやすくなる場合があります。
当院では、必要に応じて矯正歯科医の協力を得て咬合を再検討し、歯周病と同時に噛み合わせも管理します。
根本的な原因を解消しておかないと、治療しても再び歯周病がぶり返す恐れがあります。

他の治療との連携

むし歯治療やインプラントなど、別の治療を行う際にも、歯周病の状態を踏まえたアプローチが重要です。
歯周組織が健康な状態であれば、かぶせ物やインプラントの長期的な安定も期待しやすくなります。
逆に歯周病が進んだままでは、インプラントの成功率や補綴物の寿命に影響が及びます。

当院こだわりの機器

エルビウムヤグレーザーの活用

正確な型取りと負担の軽減

レーザー光を当てることで、歯周ポケット内の細菌や炎症組織を除去しやすくしています。
歯肉を大きく切開せずに済む場合もあり、痛みの軽減や治癒の早さが期待できます。

正確な型取りと負担の軽減

マイクロスコープと拡大鏡で正確な治療

マイクロスコープと拡大鏡(カールツライス)を用いることで、歯周ポケットの深い部分や歯根表面の状態を拡大視野下で確認します。
肉眼では難しい細部まで把握できるため、歯石の取り残しや汚れの見逃しを最小限に抑えます。
治療の質を高めるうえで欠かせない機材だと考えています。

マイクロスコープと拡大鏡で正確な治療

歯周病治療は完治してからも継続します

治療後の再検査
治療後の再検査

歯石除去や外科手術が終わった後も、歯周ポケットがどの程度改善したか、歯肉の腫れが引いたかなどを再検査します。
ここで改善が不十分な場合には、再度スケーリングを行うか、別のアプローチを考えます。
定期的な診察を継続することで、歯周病の再発や進行を防ぎます。

メンテナンス間隔
メンテナンス間隔

歯周病の進行具合や患者様の口腔環境によって、メンテナンスの間隔を決めます。
状態が安定している場合でも、3ヶ月や6ヶ月ごとに検診とクリーニングを続けることをおすすめしています。
歯肉や骨が安定した状態を保つためには、定期的なチェックとサポートが欠かせません。

歯周病から歯を守るための心構え

早期発見と治療
早期発見と治療

歯周病は痛みが少なくゆるやかに進行するため、「まだ大丈夫」と思って放置されやすい病気です。
しかし、歯ぐきが腫れたり、歯磨き時に出血したりといった小さなサインがあれば、早めの受診が重要です。
初期段階で対処すれば、比較的簡単な処置で済み、失われる骨や歯も最小限に抑えられます。

日常の習慣を見直す
日常の習慣を見直す

歯周病対策は、歯科医院での治療と自宅でのケアが両輪にならなければ成功しにくいです。
食事の仕方や歯磨き後のうがいのタイミングなど、些細な習慣も大きく影響します。
当院では衛生士が生活習慣や職業、食事の傾向などを聞き取り、個々の患者様に合ったアドバイスを行っています。

自信を持って笑える口元へ
自信を持って笑える口元へ

歯周病によって歯肉が下がると、見た目の面でも悩みを抱える方がいらっしゃいます。
健康な歯肉を取り戻すことで、歯のぐらつきだけでなく、口元の美しさにもつながります。
当院は歯周病ケアを通して、機能面と見た目の両立を目指す姿勢を忘れず、患者様に笑顔を取り戻していただけるよう努めています。

多角的なサポートで歯を守り続ける

多角的なサポートで歯を守り続ける

歯周病治療は、むし歯治療や矯正、インプラントなどと連動して行われる場合も多々あります。
特に歯を補綴する際には、歯周組織が安定していなければ長期的にトラブルを防ぐことが難しくなります。
当院では、その点を考慮しながら包括的なケアを行い、患者様が生涯自分の歯で過ごせるようお手伝いします。
歯がしみる、歯肉が腫れている、口臭が気になるなど、小さな異変でも遠慮なくお話ください。
スタッフ一同、安心して通っていただける雰囲気づくりを大切にしながら、患者様の悩みに寄り添っています。
歯周病は進んでからでは大がかりな治療が必要となる場合が多いため、気になる症状があるときは早めの受診をおすすめします。
歯肉の状態や骨の健康を守ることで、噛む喜びと自然な口元を維持できるよう、全力でサポートいたします。