診療内容MEDICAL
入れ歯・義歯治療
入れ歯や義歯は、歯を失った部分を補うために用いる装置です。
歯が抜けた状態を放置すると、噛み合わせの乱れや顎の骨の吸収、歯並びの変化などが進みやすくなります。
また、左右のバランスが崩れることで食事のしづらさや発音への影響が出る場合もあります。
そうしたトラブルを防ぎ、快適に食事や会話を楽しむために役立つのが入れ歯や義歯です。
入れ歯が大切な理由
歯を失った後、そのままにしておくと、お口や顔の骨格を支える力が弱まるだけでなく、他の歯にも負荷が偏りがちです。
失った歯の数や位置、顎の骨の状態によって、部分入れ歯や総入れ歯など適切なタイプを検討する必要があります。
当院では、それぞれの状況やご希望に合わせた入れ歯を提案し、長く快適に使えるよう努めています。
当院の基本方針【リジットデンチャーを目指す】

リジットデンチャーは、剛性がしっかりとした入れ歯です。
噛んだ時にたわみが少ないため、残った歯や歯ぐきに余計な力がかかりにくく、歯列全体の安定を保ちやすいと考えています。
また、しっかりしたフレームを持つことで、噛んだときの安定感が得られ、食事中の違和感も抑えられます。
安定感が高く噛みやすい
剛性の高いフレームを採用するため、噛んだ時のたわみが少なく、硬い食べ物でも力強く噛める特徴があります。
噛み合わせがしっかり決まるほど、食事中のストレスが減り、食べる楽しさが広がります。
歯牙を守る設計
適切な力の分散を図れるリジットデンチャーは、周囲の歯や歯肉にかかる負担を最小限に抑えやすいです。
長期間にわたり入れ歯を使うほど、この力の分散が大きな差を生み、残存歯の寿命にも影響を及ぼします。
緩圧デンチャーは、比較的柔軟性のある素材を使い、見た目が自然になりやすいメリットがあります。
ノンクラスプデンチャーは、金属のバネ(クラスプ)がないため、見た目の美しさを重視される方からの依頼が多い方法です。
しかし、歯を保持する力が弱かったり、長期的に歯を支えきれないリスクがあると考えているため、当院では行っていません。
歯牙を守る観点から、噛み合ったときの力をしっかり受け止められる入れ歯が望ましいと考えています。
リジットデンチャーであれば、咬合力を均等に分散させ、残された歯や顎の骨に負担が集中するのを軽減できます。
見た目だけでなく、機能面や残存歯を守ることを優先する姿勢を大切にしています。
部分入れ歯と総入れ歯の違い

部分的に歯が抜けている場合に用いる入れ歯です。
歯が残っている箇所に金属のバネ(クラスプ)やフレームを引っかけることで、安定を保ちます。
リジットデンチャーの場合、しっかり噛んでもたわみにくく、残っている歯や歯肉を守りやすい設計が可能です。
歯が一本もない状態で使う入れ歯です。
総入れ歯は、歯ぐき全体に吸着させて固定するため、適切なかみ合わせや歯肉との接触面を精密に調整する必要があります。
当院では、咬合器やフェイスボウを用い、かみ合わせを細かく調整しながら総入れ歯を製作しています。
入れ歯製作の流れ
1. 検査とカウンセリング
まずはお口の中の状態を把握し、歯肉や顎の骨、残っている歯の健康度合いを確認します。
レントゲンや場合によっては3DCTを活用しながら、噛み合わせや顎関節にも問題がないかを調べます。
その後、どのようなタイプの入れ歯が適しているかを提案し、使い心地や見た目の面などでご要望を伺います。
2. 型取りと試適
歯肉や歯ぐきの形状を正確に記録するため、型取りを行います。
リジットデンチャーの場合は、フレームの設計を綿密に行う必要があるため、噛み合わせの高さや顎の動きを慎重に確認します。
試適段階では、仮の入れ歯を口に入れて噛み合わせを見たり、形状や咬合力のバランスをチェックしたりします。
3. 完成と調整
最終的な入れ歯が完成したら、患者様のお口に合わせて微調整を行います。
強く当たる箇所があれば削って馴染ませ、噛み合わせの左右差なども細かく確認します。
使用中に違和感や痛みを感じる場合は、その都度クリニックで修正し、快適に使える状態に仕上げます。
入れ歯のメンテナンスと寿命

入れ歯は、長年使っていると歯ぐきの形態変化や噛み合わせのずれが生じることがあります。
そのままにしておくと、歯肉に負担が集中し、痛みやゆるみの原因になる場合があります。
定期的に検診を受け、入れ歯の状態をチェックしながら必要な調整やクリーニングを行うことが大切です。
残っている歯がある場合は、その歯が健康でなければ入れ歯の安定に影響が出ます。
むし歯や歯周病を防ぐためにも、衛生士担当制によるクリーニングやブラッシング指導を受け、いつまでも健やかな口元を維持しましょう。
入れ歯ケアのコツ

入れ歯には、食後の汚れが付きやすいため、専用のブラシで丁寧に磨く習慣が欠かせません。
歯ぐきと入れ歯の間に汚れが残ると、口臭やむし歯、歯周病のリスクを高めます。
洗浄剤を使いすぎると素材を傷める恐れがあるため、適度な力加減で優しく磨くことが大切です。
入れ歯をずっと装着したままの状態が続くと、口腔内が不衛生になりやすく、歯肉を圧迫する時間が長くなります。
眠るときには取り外して、入れ歯を清潔な水や専用容器に保管し、歯肉を休ませることをおすすめしています。
インプラントやブリッジとの比較

インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込む方法で、天然歯に近い感覚で噛める利点があります。
当院で採用しているストローマンインプラントは、世界トップのシェアと研究実績を持ち、骨結合に優れた構造で長期的な歯の安定を実現します。
独自の表面技術により治癒期間が短く、高度な医療現場でも選ばれる高い信頼性が特徴です。
ただし、外科的手術が必要であり、顎の骨の量や全身状態などの制約もあります。
インプラントを選ばない方や難しいケースであっても、適切な入れ歯を選べばしっかり噛める状態を保ちやすくなります。
ブリッジは、欠損部の両隣の歯を削って橋渡しをする方法です。
自分の歯を土台にする分、噛み心地が良い一方、削る歯への負担が大きくなる可能性があります。
複数本の欠損がある場合は、入れ歯を選んだ方が良い場合もあり、歯や骨の状態を見極めることが肝心です。
長く快適に使い続けるために

入れ歯は、装着後の微調整がとても大切です。
歯肉の状態や噛み合わせの変化を見逃さないよう、定期的に検診を受けることで、不快感や痛みを未然に防ぎやすくなります。
入れ歯を安定させるためにも、残っている歯を健全な状態で保つことが大切です。
むし歯や歯周病が進行して残存歯を失えば、入れ歯の支えが減り、安定性が損なわれます。
衛生士担当制でメンテナンスを徹底し、歯科医院と自宅でのケアを両立させることが理想的です。
ご相談をお待ちしています

入れ歯は、噛む力を取り戻し、食事や会話の楽しみを支える大切な道具です。
当院では、リジットデンチャーを中心とした機能性に優れた入れ歯を提案し、長期的に歯や歯肉を守りながら快適にお使いいただけるよう心がけています。
噛みにくさや痛みなど、少しでも気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。
患者様一人ひとりの状況に合わせ、最適な入れ歯を目指してしっかりサポートいたします。